代表者のメッセージ

メッセージ4-中国市場を見据えた台湾との戦略的提携関係構築(2011年10月)

現在の世界的な先進国の構造的不景気のなか、新興国、なかんじて中国の成長を企業が取り込むことは現在の成長企業の戦略を考えるなかで最も重要なポイントのひとつであります。
弊社も中国のベンチャー企業のパイプラインを創っていくために、日本の企業家ネットワーク社のビジネスモデルを取り入れた創新企業家倶楽部有限公司の設立の支援と顧問へ就任し、企業家倶楽部、中国での会計監査を10数年来進めてきたマイツグループとともに上海、広州とエリア経済圏の2-50億円クラスのベンチャー企業のネットワーク化を進めてきました。
一方、中国企業とのビジネスの難しさを指摘する日本企業も多くあるなか、特に資本投下の大きな製造の伴なうハイテク事業については台湾企業との提携を進め、提携先の台湾企業の中国での工場を通じて生産、中国及びグローバル市場に製品を販売していく戦略を進めていくことを考えております。

弊社の投資先のひとつであるコネクテックジャパン株式会社(以下、「CTJ社」という。)は、20年以上に渡って、半導体及びエレクトロニクス事業に従事しながら、台湾をはじめとする各国と新技術ビジネスを展開してきた平田社長が、その仲間とともに2年前に立ち上げた会社であります。日本の半導体の技術者はアメリカが先端をきった半導体事業から学び、日本の黄金時代を築いてきた世代であります。その後、日本が円高の進展とともに国際競争力を失い、韓国・台湾の半導体企業に後塵を拝するなか、多くの大手企業は半導体ビジネスから撤退していきます。

一方、現在のアップルとグーグルを中心にしたクラウド時代とスマートフォンの世界的な展開は高速度の動画処理の半導体パッケージのニーズを飛躍的に高め、2015年までの5年間で世界の半導体パッケージ市場規模は倍加する規模で発展するチャンスを迎えております。一方、これまで驚異的な発展を見せてきた韓国のサムソン、LGグループ、台湾の半導体パッケージメーカー群が大量生産体制により製造してきた有機基板とワイヤーボンディングによる製品は、その大きさ・消費電力・性能の限界を迎えつつあります。CTJ社のモンスターパックタイプCはセラミック基板とソフトバンプボンディングを利用することでクラウド&スマートフォン時代に大量に必要とされる次世代パッケージを提供するものです。同社は世界の半導体産業を支える優良な材料・設備企業の集積地である信越圏の新潟県妙高市の地に本拠地を構え、これを近く台湾の国家IT研究機関ITRIからの指導に基づいて設立するコネクテック・タイワンを通じて、パートナーごとに新潟での技術集団からバックアップしながら台湾企業の台湾及び中国等の工場に製造委託し、世界初のファブレスパッケージ開発のビジネスモデルを展開することを進めようとしております。同社は更に、この人的体制を充実させることで同社の技術と市場の知恵と、製造プロセスの経験をより多くのアプロケーション分野に発展させることをコア戦略としております。

もう1社弊社のポートフォリオでありますセグウェイジャパン株式会社も国内におけるセグウェイの私有地使用について予定通りの販売に加え、つくば市での特区での公道利用に続き、台湾の販売ライセンス獲得に向けて動き出しております。台湾では、リン酸鉄リチウム電池のメーカーである必翔集団との提携により、電動車椅子やシニアカーの製造を行っておりモビリティー事業の連携やバッテリー事業についての提携を進めています。

SIPは、現在のアップル・グーグルのシリコンバレー企業主導の技術製品分野で日本のグローバル市場での優位を創ることはなかなか難しいなか、アジア企業が主導権をとっているハードウェアのハイテク製品のなかでの技術知識を比較優位に日本資本をコアにしたアジア資本の取り込みと日本・台湾・香港市場での資金調達を組み入れた展開を戦略の柱のひとつとして進めていきたいと思っております。今後も他の投資先やコンサル先の企業と共に台湾と日本企業のパートナーシップのサポートをしていきたいと思います。

メッセージ3 -アグリ・フ-ド分野の事業ターゲットの促進-(2010年10月)

農業の在り方が見直されています。日本の自給率の見直しの議論、アジアにおける中国をはじめとする巨大な胃袋を大きなビジネスチャンスとして捉える議論、日本の食の海外への展開などいろいろな視点での話題がうまれております。
弊社は、これまでインターネット・IT・エレクトロニクスを投資の中心ターゲットとして活動してまいりましたが、新たに新しいイノベーション・マーケットとして農業ビジネス、食の流通・販売などのビジネスをさらなるターゲット分野として捉えて活動をしてまいります。

農業・食につながるサプライチェーンは、これまでの家業的生産農家とJAの流通システムから、新しい動きがうまれ、それがビジネスチャンスにつながってベンチャー企業が生まれる萌芽がはじまっています。
主な変化のポイントを以下のように捉えています。
① 家業的生産農家の後継者問題から発生した企業的生産農業の発展~独立系と大手企業の農業参入による促進
② 販売情報からの機能的高度流通システムの発展~IT業界がなし挙げた販売発注生産システムを志向する天候や栽培量の変動に強いサプライチェーンシステムへの挑戦~加工品による流通のストック化や植物工場のような天候に依存しないシステム、冷凍・物流システムの高度化など
③ 日本の食のアジアへの広がりと農業労働リソース問題などを絡めた日本とアジアでの生産体制の確立と、それによるリバレッジ生産経営の進展

といった大きな流れが生まれつつあります。
弊社はこのような大きな流れを見据え、さらに、農業の工業化・システム化の進展において、弊社がインターネット・IT・エレクトロニクス分野で培ってきたハンズオン・ノウハウが大いに貢献できると判断し、基本の事業アライアンスを締結しました。

①一般社団法人ALFAEの推進する日本の農業のシステム化とその海外への標準化の推進を支援していきます。
②農業生産法人に対して事業計画の設計と予実管理のコンサルテーションを提供し、農業の独立企業化のサポートをします。
③アグリビジネス・食ビジネスをターゲットしたベンチャーファンドの組成を目指します。
④検査系LED照明トップシェア・メーカー会社が子会社を通じて推進するLED照明により運営する完全閉鎖型植物工場を農業生産システムの将来システムとして捉え、これを中東、中国など世界各国の政府、農業コングロマリット、食材ジャイアントを相手に普及させていきます。

今後、弊社は、アグリ・フードビジネスが、日本におけるグローバル戦略分野であると捉え、過去20年アメリカがドライブして世界を発展させてきたインターネット分野にあたる役割を担うと考え、アグリ・フードビジネスのニューベンチャーのクラスター創造を支援していきます。
 

メッセージ2 -アジア・クロスボーダー投資の促進-(2009年9月)

日本が世界第2位のGDPを誇る高成長国家から離れて久しくなっております。現在の日本の国内市場は、その高年齢化の影響も受け、エマージング・マーケットとして捉えることは大変難しい状況です。海外の投資家と話をするとき、日本のベンチャー市場を熱く追いかけているクラウドは多くありません。現在の潮流は、やはりBRICsという高成長国であるブラジル、ロシア、インド、中国であり、また、アメリカにおけるグリーンディール政策のような既存国での新しい市場に対する可能性・期待です。しかしながら一方で、日本のベンチャーファンドへの投資の関心について話をするとき、世界中の多くの人々は日本の優れた技術力、ビジネスモデル、経営能力、さまざまな領域においての日本の製品の素晴らしさを語ってくれています。
このような視点から、日本のすぐれた技術力、ビジネスモデルなどをベンチャー企業のコアとした上で、市場を日本国内に閉じて考えず、より成長の著しい分野を中国など海外市場に見出して収益をあげて行けるベンチャー企業を投資候補先として捉え、アジアのクロス・ボーダー投資を経営の方向として打ち出すことにし、その第一ステップとして中国での投資体制の構築を行います。中国における最初のターゲット・セクターとしては、日本が人口約1億3千万人(2008年11月現在)の市場規模で世界最先端の地位を築き、現在、中国(人口約13億人(2009年1月現在))が猛烈な勢いとボリュームで追いかけている携帯電話の3Gインフラを基盤とした付加価値サービス及びインターネット関連のベンチャー分野といたします。アジアでの拠点は中国北京市に置くこととし、パートナーとしては北京で6年間多くの日系IT・メディア企業に対してビジネスコンサルテーションを提供してきた博鋭創智網絡科技(北京)有限公司(オブザーバンテックチャイナ)(総経理/CEO:城野貴大氏)と業務提携を結び、中国における上記分野の投資候補先企業を共同して発掘するとともに、


① 日本の技術、提携先、投資を求めている中国企業や中国各省市等地方政府への対応、
② 日本企業の中国進出支援、中国での提携先発掘、


を中心に共同で日中ビジネスを展開していく予定であります。
今後、さらに中国をコアとする海外戦略に向けての経営体制を強化し、エス・アイ・ピーはアジア市場を見据えてグローバルに活躍するベンチャーキャピタルを目指してまいります。
 

メッセージ1 -ベンチャーキャピタルを超えて-(2009年7月)

ベンチャーという言葉がビジネス的な魅力の輝きが褪せてしまったかのようにベンチャー企業を取り巻く環境は、厳しさに包まれています。私たちエス・アイ・ピーは、日本のベンチャーキャピタルの礎をつくってきた創業者の志を継ぎ、新しい時代のベンチャーキャピタルをつくろうとここに集っています。私たちが「ベンチャーキャピタル」にこだわっているのは資本主義社会における経済発展のドライバーが『イノベーション』という「技術革新をベースに創造される新しいライフスタイルとビジネスモデルの提供」の出現・普及であり、「ベンチャーキャピタル」という産業こそがアントプレニュアーとともに中心的役割を果たしていると考えているからです。

私たちは単に、ビジネスをインキュベーションしてベンチャー企業を株式公開させることのみをゴールとするものではありません。イノベーティブな事業が成長していくことを、公開後も後押しし、安定フェーズに辿り着くまでサポートしていくことを考えています。また、大企業とともに次の成長ビジネスをつくるお手伝いも心がけている領域です。

私たちが追い求めているコンセプトは、(1)イノベーション、(2)グロース、(3)リスクファイナンス という3つの柱で、これまでのベンチャーキャピタルの領域を超えてこの3つのコンセプトを追って領域を拡大していきたいと思っております。私たちはハンズオンをモットーにしておりますが、私たちにとって「ハンズオン」はアントレプレニュアーと同じ目線で汗をかくことであると考えています。私たちは個別の企業・自治体・海外投資主体などのニーズに沿って、上記の3つのコンセプトを私たちのビジネス・ノウハウを提供して共同のプロジェクトとしていくビジネス・ゴールとともに、グローバルな投資家の資金を系列の制約なしにどの関係者とも利益相反しないニュートラルなポジションから顧客に対してベストソリューションを提供することで高ROIのファンド投資を追及していくことをゴールとしております。

ヘッジファンドを中心とした敵対的買収や、サブプライム問題、分散化や証券の名を借りたクレジットリスクの誤用など、自社とそのステークホルダーの目先の金銭利益だけを目的とした利益至上主義の追求は真の資本主義の発展をもたらすものではないことはこの未曾有の経済危機により証明されました。私たちはベンチャーという厳しいビジネスこそが資本主義の成長を牽引するという信念のもと、この信念を信じるグローバルなアントレプレニュアーシップの連携により新しい時代をつくっていきたいと考えております。

代表取締役社長 齋藤 茂樹

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